脊髄小脳変性症は、何らかの原因で小脳の一部が病変し、
『動かすことは出来るのに、うまく動かせない』という状態になります。
●1つの病名ではなく、運動失調症状をきたす変性による病気の総称です。
●日本の患者数:3万人程(1/3が遺伝性、2/3が遺伝歴なし) ●ゆっくりと進行し、同じ病気でも個人差あり |
なぜうまく動かせないのか?簡単に説明しますと、
小脳には『運動のスイッチ』があり、今まで経験した運動プログラムが保存されています。
運動がちゃんと行えたか誤差検出(調整)をして運動プログラムを確かな情報として保存します。
なので、どんな運動も今までの経験プログラムとわずかな調整(予測的姿勢制御)がされて
円滑に動けます。
↓
病変が生じると、運動スイッチが入らなくなり、今までの運動プログラムがうまく使えず調整がきかず
目で確認して実際にその場で調整するしかなくなります。
やってみて、『やりすぎた→抑える→やりすぎた→抑える』の反復で目標が定まらず
フラフラした動作になり、これが運動失調、うまく動かせない理由になります。
運動スイッチが入らなくなるから、動かしづらいで終わってしまうのか?
そうではありません!!!!
小脳は学習するところ&脳細胞の可塑性
この2つがキーワードになります。
病変していない『おとなりの脳細胞』にしっかり働いてもらうことで運動を再学習させていくのです✨
大まかに電車で例えると、
『とある駅で、〇〇線が目的地に行けなくなったから、◎◎線に乗り換えて目的地に行く』
というイメージですかね👍
当施設では、この病気に負けない様に頑張っておられるお客様がおられます✊
昨日1回60分でも、歩行時に振りづらかった手が自然と振れるようになったりと
変化が見られました!
施術前 (姿勢を固定しようとするために上肢の振りが少ないです)
施術後 (堂々と上肢を振って良いテンポで歩行できています)
上肢を振るって、運動失調がある方からすると、とても勇気がいる動作です💦
上肢を振ることで前進力や、下肢とのつながりで下肢を振り出しやすくなるわけですが、
例えるなら、ぐるぐるバッドをした後に姿勢よく腕を振って歩ける人はいませんよね。
フラフラしていれば転倒しないように姿勢を固めて少しずつ確かめながら進みますよね!
運動失調の方ってそのような感覚に近いそうで、
姿勢を固めて余計な筋緊張を生じさせてしまうのです。
その状態で、腕を振るのはバランスを崩したら怖いので勇気がいるのです。
※補足:前庭動眼反射といって、目の動きと頭の動きをバラバラにする役割も小脳にはあり、
私たちが普段車内で体が揺れても目は揺れないのもこのためです。 小脳に病変がある方は、その働きが低下してしまい目も揺れて距離感がつかめなく なってしまうんです。距離感がつかめないうえに、体もうまく動かないため、 『怖い』のです。常にぐるぐるバッド状態です。 |
そこで今回の施術では、筋緊張を整えて、運動学習を行いました!
お隣の脳細胞の活性化なのか、運動を学習して無意識に行えたのか詳しい点は
脳内のことなので説明できませんが、動作に現れているので、
『上肢を振っても大丈夫な歩行』という運動学習は成功していることになります👏
再学習という、何度も何度も反復練習が必要になってきますが、
原も一生懸命に取り組んでいきます✨頑張りましょう✊